帝京三は2回、2死一、二塁から9番中村将湖内野手(3年)が高校通算1号となる3ランを放ち、準々決勝進出に大きく貢献した。中村は試合後に恥ずかしそうに照れながら「紅白戦では打ったことはありますが、公式戦、練習試合含めて打ったのは初めてです」と言った。

甲府東の先発村松和投手(3年)に追い込まれてから96キロの変化球を捉え、左翼席中段に運んだ。「浮いてきたチェンジアップだと思います。肘をたたんで内角高めの変化球をうまく打てました。前の試合でも惜しいファウルがあったので、今回はうまく修正できました」。初ホームランが大事なところで出て「実感はないです。僕は9番なので、9番でも思い切りスイングしてくると相手が考えてくれればいいなと思っての打席でした」と、打席での心理面も明かしてくれた。

その中村が6回にタイムリーエラーをして甲府東に1点を与えてしまったが、直後にエース右腕三上大貴(3年)がリリーフして、反撃の芽をつんだ。試合後の大牧大輔監督(35)は明るく「中村の打球を見て、すごいなと感じました。でも、本番に強い選手です。今日も試合前の練習でアドバイスしたのが良かったかもしれないですね」と、言いながら横で監督の話を聞いている中村に笑顔を向けて、笑いが起きた。