東京学館が、終盤の敬愛学園の猛攻を退け、5回戦進出を決めた。

1球1球「オリャー」と雄たけびをあげた。声がこぼれた。東京学館の先発・山崎正太投手(3年)は、初回、3安打1四球で2失点するも「コースに投げ分ければいい」と、気持ちを切り替えた。2回からは直球でカウントを稼ぐと得意のスライダーで、内野ゴロと三振に打ち取った。力のこもった投球で、7回まで2安打無失点。流れを引き寄せた。

笑顔と熱い気持ちは忘れない。2年春まで内野手だった。練習試合で、たまたま投手陣にケガ人が出たため、急きょ登板。4回を投げ4奪三振で1失点と結果を残し、投手に転向した。

キャッチボールから投球動作を確認し、フォームを模索した。胸を大きく張り、右の肩甲骨を使い体全体を使いダイナミックなフォームを手に入れた。内野経験を生かし、笑顔で声を出しながら投球する。「投手でもチームを引っ張りたいから声を出しながら投球しています。笑顔はピンチに暗い顔をしていたらスキを見せてしまうので」と、その理由を明かした。

8回には「今までで8イニングを投げたことがなかったので」と、スタミナが切れ、肩で何度も息をした。「つらいなと思ったけど、負けたらダメ。自分に言い聞かせて投げました」。3失点し、なお1死一、二塁。「同点は許さない」。得意のスライダーで投ゴロ併殺に打ち取り「ヨッシャー」と大きく雄たけびをあげ、ガッツポーズを見せた。

持ち前の明るさとガッツで、マウンドからチームを引っ張る。山崎は「まだ上を目指している。勝つことを意識して、もっと勝ち上がっていきたい」と、再び笑顔を見せた。