昨夏準Vの東海大山形が創学館に11-4の8回コールドで4強入り。4番佐藤士葵内野手(3年)が、2本塁打を含む4安打5打点の活躍でチームをけん引した。佐藤士を中心に打線がつながり、12安打11得点で相手を打ち崩した。山形中央-山形城北の試合は、6回表が終了したところで降雨ノーゲーム。勝敗は今日20日午後0時半からの再戦に持ち越された。

4番佐藤士が復調の2発でチームを盛り上げた。初回1死一、二塁。早速のチャンスに「ゴロでゲッツーは避けたかった。とにかく振り抜くことを意識しました」。2球目、真ん中高めに浮いた直球をしっかり振り抜いた。「打った瞬間、わかりました」と確信した打球は、左中間席へ飛び込む先制3ラン。佐藤士は、6回2死二塁で中前適時二塁打。8回1死では3番山本琢人内野手(3年)の右越えソロに続く、左越えソロ本塁打を放つなど4安打5打点と大暴れした。

3回戦までは10打数2安打3打点の打率2割と低迷していたが、この試合で4割2分9厘まで急上昇。佐藤士は復調の要因に「タイミングの取り方」を挙げた。3回戦までは足を大きく上げてタイミングを取っていたが、この試合からはすり足に変えた。佐藤士は「前にバットを出すように、前日にひたすら練習していました。(微調整が)うまくいきました」と笑顔。打線のつながりにも「チャンスの場面でヒット1本だったり、タッチアップだったり、自分のホームランも含めて良い形でみんなが打てました」と好感触を得た。

佐藤士は1年生からベンチ入り。20年夏の独自大会決勝で鶴岡東、21年夏決勝で日大山形に敗れた悔しさを目の当たりにしている。佐藤士は「決勝までいって、絶対に今回こそ監督さん(武田宅矢監督)を甲子園に連れていきたいです」と決意をにじませた。2年連続で逃した山形の頂点へ、ナインの決意は固い。【濱本神威】