2連覇を狙う二松学舎大付(東東京)は“大改革”でスタメンを入れ替え、8強入りを果たした。今夏初出場で、公式戦初の4番に抜てきされた片井海斗内野手(1年)が第1打席で2点先制の二塁打をマーク。プレッシャーのかかるレギュラー陣を休ませ、調子のいい選手を起用。市原勝人監督(57)の一手でチームはさらに活性化し、一丸となって頂点を目指す。

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二松学舎大付の4番に、175センチ、97キロの1年生がどっしりと座った。20日の4回戦、城西戦(9-3)から投手を合わせてスタメン4人が変わる“大改革”。片井は、いきなり初回1死二、三塁の今夏初打席で、2球目の直球をしっかり捉えて2点先制の適時二塁打。「とてもうれしかったです。少しでも、先輩の力になれればうれしい」。ベンチに向かって、はじけるような笑顔でガッツポーズを決めた。

スタメンを告げられたのは当日朝。ガチガチに緊張したが、4番としてチームをけん引してきた小林幸男主将(3年)から「甘い球は全部振っていけよ」と声をかけられた。言葉通り、思い切ってバットを振った。4打数1安打2打点も守備の1失策があり、デビュー戦の自己採点は「60点です」と厳しめだった。

連覇&3季連続甲子園出場という目標を掲げ、レギュラー陣には相当なプレッシャーがかかる。城西戦は12安打9得点を挙げて勝利したが、市原監督は楽しめていない選手たちが心配だった。中1日。スタメンを入れ替えることで、刺激を与えた。投打がかみ合っての勝利に、指揮官は「前の試合から、数段進歩がある」とうなずいた。後輩を鼓舞する主力と、チームを活性化させる下級生。歯車が、かみ合ってきた。【保坂恭子】

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