37度を記録した酷暑の甲府盆地。甲府商に失策が相次ぎ、試合は8-1の7回コールドと一方的な展開になったが、鍛え抜かれた甲府工の選手は最後まで全力でプレーし、どこまでもたくましかった。

リリーフエースとして連投をものともしない寺山勇翔投手(2年)は、額の汗も気にせず「体の疲れはありません。調子はいいです」とはつらつ。この日も7回途中から登板し、試合を締めたが、すぐに25日の決勝で対戦する強敵へ目を向けた。「相沢さんと対戦したいです。(甲府南)シニア時代は、紅白戦でも1度も抑えたことがないんです。甲府工で成長した自分がどこまでやれるか、勝負してみたいです」。キレのあるストレートと変化球で、1学年上の山梨学院の主将でシニアの先輩、相沢に挑む覚悟だ。

メンバー全員が地元からの入部。一方の山梨学院は県外出身者が多いが、出身に関係なく、公立の名門が私学の雄に全力でぶつかっていくところに、多くの高校野球ファンが声援を送りたくなる。前田芳幸監督(47)は「公立校の代表として山梨学院に挑み、優勝目指して頑張ります」と堂々と言ってのけた。

甲府工は東海大甲府に敗れ準優勝だった2012年(平24)以来、10年ぶりの決勝進出。2006年(平18)以来の甲子園出場を目指し、大一番に臨む。【井上真】

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