雪辱に燃えたナインが、大量得点で2年連続4強入りを決めた。聖和学園が第2シード東北に7回コールドで大勝。高橋拓英内野手(3年)が、2点先制適時打を含む3安打5打点を挙げ、阿部航大(こうだい)投手(3年)が安定した投球で1失点完投。昨秋の県大会準決勝でコールド負けした相手に1勝し、初の決勝進出に弾みをつけた。

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打線の中軸を担う5番高橋拓が、チャンスで打点を積み上げた。降雨で約1時間の中断後に迎えた4回2死二、三塁。相手エースの外角直球を引っ張り、高々と上がった打球は左翼手前に落ち、先制の2点適時打となった。「ここで決めないと流れが東北にいくという意識で臨んだ。振り抜いた結果、落ちてくれた」。以降の2打席も適時打を放ち、打者14人で8得点を奪った7回の猛攻にも絡んだ。

中盤にリードを許し、逆転を期す強豪・東北にエースが立ちはだかった。先発の阿部航大は、4回1死一、二塁を併殺。5回は失策で1点を許したが、続く1死一、三塁を、盗塁死と一ゴロでチャンスの芽を摘み、最少失点で切り抜けた。6回以降は3者凡退に仕留め、反撃を許さなかった。山崎渉監督(39)は「リズムよく制球も良く。相手の的をうまく外しながらピッチングができていた」と快投を評価した。

リベンジマッチでうれしい1勝となった。昨秋の県大会準決勝は逆転で8回コールド負け。高橋拓をはじめ、チーム全体がこの一戦に気合が入っていた。3回終了後に雨天で一時中断したが、誰も気持ちを切らさなかった。「練習試合が雨で中断になった時に選手間で話し合ってミーティングをやっていた。それで今日の試合でも落ち着いてできた」。

同校の4強は過去最高成績。26日の準決勝は、24日に行われる古川学園と東陵の勝者と戦う。「第2シードの東北を倒せたことは自分らにとって自信になる。これから戦う先でも、こういう自信や勢いを身につけて戦いたい」と意気込んだ。「あと2つ勝ちきって優勝したい」。創部初の快挙を成し遂げてみせる。【相沢孔志】

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