日体大荏原(東東京)が、76年以来46年ぶり2度目の優勝へ王手をかけた。

緊張感のある試合も、選手はいつも通り。エース小金井凌生(りょうせい)投手(3年)も淡々としていた。3回、1点を返されてなお1死二、三塁、7番打者のカウント2-0から救援。4回から継投する予定だったが「いくかなと思っていたので緊張はしていなかった」。2球でカウント2-2とし、最後は3種類を投げ分けるスライダーのうちの高速スライダーで一邪飛。無失点で切り抜けた。本橋慶彦監督(41)は「不思議な子たちでゲームも落ち着いていた。小金井は安心できる。信頼しています」と話した。

昨秋は1回戦で国学院久我山に3-10で敗れ「手も足も出なかった」。自分を見つめ直し、肉体改造に着手。185センチの長身に62キロの細身だったが、1日10合の白飯を食べてトレーニングし、16キロ増の78キロに。体力もつき、持ち味の制球力に安定感が増した。決勝進出に「相手は強いけど、特に変えることはしないで自分の持ち味を出したいです」。決勝も、エースがどっしり構える。【保坂恭子】