大阪桐蔭が「無敵」の圧勝優勝を果たし、2年連続12度目の甲子園出場を決めた。ライバル履正社を7-0と投打で圧倒した。46イニング連続無失点で大阪177校165チームの頂点に駆け抜けた。

優勝インタビューに臨んだ西谷浩一監督(52)は「できすぎの展開です。安打を8本打たれながら0点で抑えたのが最大の勝因。2012年、2018年と春夏(甲子園で)連覇できましたが今年のチームも何とか3回目につなげたい。秋の神宮大会も勝ったので秋、春、夏と(全国)3連覇をと。履正社に勝たせてもらって3連覇に挑戦する権利をもらった。大阪代表として恥ずかしくないように甲子園で暴れて、必ず優勝旗を持って帰りたい」と声を高らかに宣言した。

主将の星子天真内野手(3年)は「素直にうれしいです。大きな目標を持っている分、いろいろな思いを持っていた。うまくいくことも、いかないこともあったが、粘り強く戦えた。突出した選手がいないので、束になって戦うのがこのチームの魅力です」と喜びを語った。

今大会3本塁打の打撃だけでなく、捕手として引っ張ったプロ注目の松尾汐恩(しおん)捕手(3年)は「(先発した前田は)伸びのある、キレのある球を投げていた。本来の前田の投球でした。昨日、おとといで『自分でつかんだ』と言っていました」と会心のゲームを振り返った。

今大会は投打ともに抜きんでた力を見せつけた。投手陣は今夏、自己最速の150キロを計測した別所孝亮投手(3年)を中心に安定。29日の準決勝上宮戦後、西谷監督を「100点。一番いい状態だったので迷うことなく、別所でいこうと。真っすぐが力強かった。コントロールもよかった」と言わしめたほどだ。プロ注目の川原嗣貴(しき)投手(3年)や、決勝で8回無失点だった左腕の前田悠伍投手(2年)ら陣容は豊富で、決勝まで7試合でわずか1失点と対戦校を完璧に抑えた。

野手陣も充実する。今秋ドラフト候補の松尾は22日の関大北陽戦から24日大阪戦にかけて3打席連続アーチ。「自分の中で(重心を)落とすイメージで」と振り返るように、納得の一撃だった。4番の丸山一喜内野手(3年)とプロ注目で5番を打つ海老根優大外野手(3年)も今大会、本塁打を放った。中軸がアーチを競演するほか、主将の星子ら下位打線からも得点できる。名将は「ゲームの始まりは1番から始まりますが、4番から始まれば4番が1番バッターですし、打線というより、とにかく毎回、毎回ということ」とうなずいた。

履正社との頂上決戦は13年以来、9年ぶりだった。夏の大阪大会ではこれで12勝3敗。西谷監督は決勝を控えて「簡単に勝てる相手ではありません。ただ、ウチも簡単に負けられませんので、意地と意地のぶつかり合いで、粘りあって、最後、必ず勝ちたいと思います」と話していて、有言実行となった。

今春のセンバツは大会新のチーム11本塁打を重ねて優勝した。5月末には春季近畿大会決勝で智弁和歌山に敗れて公式戦の連勝は29で止まったが、屈辱を力に変えた。まさに横綱相撲。3度目の甲子園春夏連覇に向けて、スタートラインに立った。

◆大阪桐蔭 1983年(昭58)創立の私立校。生徒数は1896人(女子850人)。野球部は88年創部で部員数64人。甲子園出場は春13度、夏12度目。優勝は春4度、夏5度。OBに巨人中田翔、西武森友哉ら。大東市中垣内3の1の1。今田悟校長。

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