酪農学園大とわの森三愛が、甲子園監督で夏秋連続の道大会を狙う。今夏の南北海道大会後から、帯広農を21年夏の甲子園に導き、今春同校に転職した前田康晴副部長(46)が新監督に就任した。20年に野球部が同校の強化指定部となり3年目。6日開幕の秋季全道大会札幌地区予選を勝ち抜き、全道1勝を目指す。

甲子園監督としての経験を生かす。「全道出場を目標にすると大体、代表決定戦で負ける。目標は全道1勝。高いところを目指して頑張ってもらえたら」。倶知安農、帯広農で指揮も激戦区の札幌地区での采配は初となる。「打ちまくって勝つというのはなかなかできない。いかに少ないチャンスで得点できるか。そういう野球ができる考え方を、浸透させていきたい」と方針を打ち出した。

帯広農時代は定期的なメンタルトレや複数の決まり事を定めることで、波に左右されず組織的に動けるチームづくりを進めてきた。今回就任時に定めたスローガンは「勝利貫徹」。今夏14年ぶり南大会進出も「まだ勝ちへのこだわりが弱い。ここぞの集中力や練習での取り組みも、もっと変化が必要」。方針をまとめ選手に渡した資料には「30年に日本一」という自身のメモ帳の画像も添付。大きな夢へ、段階を踏み育てる。

既に15試合程度、練習試合を消化し、地区予選目前には2泊3日で函館遠征も予定。「強行日程ですが、やらないと勝てない。甲子園に行って分かったが、支えてくれる方への感謝とか恩返しは、やっぱり勝っていかないと。そういうことは子どもたちにも伝えている」。センバツ切符も視野に入れ、熱血指導を続ける。【永野高輔】

◆前田康晴(まえだ・やすはる)1976年(昭51)2月13日、由仁町生まれ。岩見沢幌向小4年時に幌向タイガースで野球を始める。大麻では1年秋から遊撃手でベンチ入りし3年時は主将。98年酪農学園大を卒業し、99年に帯広農に赴任。2年目から野球部第3顧問。04年に倶知安農に転任し同年10月から野球部監督。16年に帯広農に戻り同年秋から野球部監督。昨夏、北大会優勝で甲子園出場。家族は妻と1男。