「キャッチャー麟太郎」が誕生した。大阪桐蔭・中村剛也(西武)と並ぶ高校通算83本塁打の花巻東・佐々木麟太郎内野手(2年)が、11点リードした5回裏の守備で公式戦初となる捕手のポジションについた。「3番一塁」で先発も、コールドで最終回となった同回にマスクをかぶり、葛西陸投手(1年)とバッテリーを組んだ。5番から始まった相手の攻撃を空振り、見逃し、見逃しの3者連続三振に導くと、バットでも先制犠飛を含む2打数1安打2打点1四球でけん引。攻守で県大会出場に貢献した。

小学校時代に捕手経験がある佐々木麟は今春センバツ後に「複数守れて損はない」と捕手の練習を始めた。練習試合でも扇の要を担ったことはあるが、最近は一塁守備の練習しかやっておらず、この日はぶっつけ本番だった。

佐々木麟は「(葛西は)1年生なので、自分がしっかりリードしないといけない責任があったので、とにかく100%を出し切れるかを考えて配球をしていました」と好リード。「そこまでレベルが高いと言われたら、そんなことはないですけど、最低限は守れたと思います」と振り返った。