仙台育英のリードオフマンが俊足巧打で魅せた。橋本航河外野手(2年)が、3安打1打点2盗塁で5回コールド勝ちに貢献した。今大会3試合は「1番中堅」で出場し、チームトップの5盗塁をマーク。決勝進出と東北大会出場をかけた仙台三との準決勝でも、持ち味を生かしたプレーでチームを引っ張る思いだ。

一瞬は逃さない。1回無死から右前打で出塁すると、2番尾形樹人捕手(2年)の3球目にスタート。ぐんぐん加速し、勢いよく左足を二塁に突き刺した。その後1死一、三塁、斎藤陽(ひなた)外野手(2年)の中犠飛で本塁に滑り込んで先制した。2回2死三塁の第2打席では、右前適時打を放ち、すかさず二盗。続く尾形の中前打で、快足を飛ばして4点目のホームを踏んだ。

夏の甲子園は全5試合に「1番中堅」で起用され、24打数12安打で打率5割。「新チームが始まってからは優勝した気分が抜けなかったですけど…」と話したが、今日22日で優勝から1カ月が経過。新チームでの最終学年となり「試合を重ねる度に、最近はあまり『甲子園で優勝した』という気持ちはなくて、また新しく優勝に向かっていく雰囲気になっています」と気持ちを切り替え、前を向く。

スタイルは前チームと同じだ。「須江(航)先生から『いつもやることは変わらない』と言われているので出塁することを考えたい。(今は)1番ですけど、何番でも自分のやるべきことをやり切りたい」。任された場所で、持ち味を発揮するだけだ。【相沢孔志】