「2年生コンビ」が存在感を示す。来春のセンバツ出場をかけた秋季高校野球東北大会が今日10日、山形で開幕。聖光学院(福島1位)は同日、2回戦で利府(宮城3位)と対戦する。夏の甲子園4強、栃木国体準Vメンバーの高中一樹主将、三好元気外野手(ともに2年)がチームをけん引。目標の優勝を果たし、優勝校だけが参加できる「神宮大会出場」の原動力となる。

経験豊富な2年生が新チームの聖光学院を支える。高中は前チームで「2番二塁」を任され、国体にも出場。準決勝・国学院栃木戦では先制適時打を含む2安打2打点。大阪桐蔭との決勝では川原嗣貴投手(3年)から中前打を放った。「(大阪桐蔭は)個人やチームのレベルがすごく高い。対戦できたことは自分たちの代もだが、今後の聖光学院にとってもプラスになる」と振り返った。

新チームでは主将を務め、二遊間でコンビを組んだ赤堀颯前主将(3年)を理想とする。「赤堀さんからはプレーもだが、プレーをしていない部分でも(チームを)引っ張る姿勢を学べた。自分もそういう姿を担いたい」。国体でも一緒にプレー。その背中や言葉で引っ張ってくれたことには感謝しかない。「自分は赤堀さんではないし、赤堀さんにはなれない。主将のプレッシャーはあるが、チームは違う。自分たちらしく、新しい気持ちでやりたい」と気を引き締めた。

三好は「4番右翼」で出場し3試合連続安打。決勝ではチーム唯一の適時打を放つなど勝負強さが光った。「3年生と一緒にやる野球は最後だったので、3年生が悔いがないようにやってほしい気持ちだった」。決勝は1、2年生も応援。「スタンドの選手も(3年生から)得たものはたくさんあると思うので今後全員で共有したい」とチーム全員で3年生から学んだことを継承していく。

「2年連続センバツ出場」が懸かる大事な大会だが、さらに大きな目標を掲げる。

高中 秋の目標は「神宮大会出場」。東北大会は1回戦や決勝で負けても同じ。自分たちが神宮大会出場を目標に掲げた以上、今は神宮しか見えていない。

一心不乱で、頂点に突き進む。【相沢孔志】

◆聖光学院・斎藤智也監督(59=栃木国体で活躍した高中と三好について)「(3年生とプレーし)力が自然と引き出された。(国体の)準決勝と決勝で取った4点は三好と高中で2点ずつ。3年生に対する恩返しの思いが強かったのかな」

◆聖光学院・赤堀颯前主将(3年=始動した新チームに対し)「各代にそれぞれの色があると思うので、自分たちに合ったものを大切にしてほしい。もっともっと強い聖光学院になってほしいと思います」