専大松戸(千葉1位)が、山梨学院(山梨1位)に破れ、秋季関東大会初優勝を逃した。

プロ注目の最速151キロ右腕・平野大地投手(2年)が力尽きた。今大会はリリーフとしてチームの勝利を支えてきたが、準決勝に続き、2番手としてマウンドに上がるも1回1/3を投げ4安打3失点。「疲れはあったけど、いけると思ったので…。責任をもってマウンドに上がったんですが、結果的に疲れが出るような投球になってしまった」。ガックリと肩を落とした。

秋の県大会後に肩の炎症でしばらくノースロー。本格的に投げ始めたのは1週間前だった。この試合は、これまで外角に決まっていた球がシュート回転し、高めに浮いた。この日の最速はスカウトのガン表示で143キロ。スピードにはこだわらず、100キロ前後の緩いカーブでタイミングを外しながら打たせてとった。

7回には先頭打者を一ゴロで抑えた場面で吉田慶剛捕手(2年)と「もう1人いける」と判断。しかし、迎えた山梨学院の進藤天内野手(2年)に甘く入ったスライダーを捉えられ左越えソロ本塁打を浴びた。「投げた瞬間、ヤバイと思った」。静かにマウンドを降りた。

持丸修一監督(74)は「本人が投げたいという気持ちを尊重した。本調子じゃない中、よくここまで粘り強く投げてくれた」。エースとして、どんな時もマウンドに立っていたい。平野の気持ちの成長をたたえた。

チームとしては初の決勝進出を果たした。平野は「学校の歴史を塗り替えられた。エースとしても自信になりました」と、手応えを感じながらも「この悔しさは絶対に忘れない。冬、球の質を上げ、ケガをしない体作りをして、来春、この思いをぶつけたい」。強い口調で、次の大舞台での活躍を誓った。【保坂淑子】