常葉大菊川(静岡1位)が東邦(愛知1位)に2-7で敗れ、2007年以来15年ぶりとなる秋の東海大会制覇を逃した。石岡諒哉監督(33)は「いろいろな部分で差を感じた。完敗です」と唇をかんだ。ナインも、マウンドで歓喜に沸く相手を横目に肩を落とした。

初回。2死二塁のピンチを招き、適時失策で先制点を献上した。鈴木叶(きょう)捕手(2年)は「ミスは出る。その後に雰囲気も変えられず、ずるずるいってしまった」。2回以降も2失策に1捕逸と、要所でのミスが失点につながる。守備でリズムを崩すと、打線も散発4安打で2得点と振るわなかった。

県勢としても、4季連続の東海大会優勝に届かなかった。それでも、準優勝の結果は残した。来春センバツは記念大会で、東海地区の一般枠は1増の3枠。10年ぶり5度目の春の聖地は、ほぼ手中に収めた。

悔しい敗戦を糧に鍛錬の冬に向かう。指揮官は「また競争が始まる」と定位置争いの横一線を強調。鈴木叶は「今のままでは(甲子園で)勝てるチームではない。全員が変わらないといけない」と話し、エース福住柚稀(2年)も“反撃”を誓った。この日、今大会初先発も5回4失点で降板。「悔しい。もっとエースらしい投手になりたい」と言った。一回りも、二回りも成長を遂げ、来年1月の選考委員会で吉報を待つ。【前田和哉】