日米通算4367安打のイチロー氏(49=マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)が27日、都立新宿のグラウンドで、同校の男子硬式野球部員を前日26日に続いて指導した。

締めとなる27日には自らノックも行った。

「力の差があるとミスで崩れてしまうパターンが多い。しょうもないミスから崩れてしまうケース、高校野球を見ていて気になる。鍛えれば鍛えるほど、うまくなる。まず、それに取り組んでほしい。僕がノックするので、やってみましょう。ボールが怖くなくなる練習をやってみましょう」

選手を三塁の守備位置につかせてノックした。

「10本取れたら、終わり。8本目からは(みんな)見ておいて。ポロリとしたら7に戻ります」とルール設定。「頑張れ」「ナイスプレー」「声出して」と盛り上げた。選手のユニホームは土まみれ。6人に計170球の熱血ノックだった。

<過去のイチロー氏の高校野球指導>

◆<1>智弁和歌山(20年12月2~4日)初日は「観察」、2日目から徐々に指導を開始し、最終日にはフリー打撃も披露した。21年の甲子園大会前にも「ちゃんと見てるよ」とメッセージを届け、21年夏にチームは21年ぶりの頂点に立った。

◆<2>国学院久我山(21年11月29、30日)フリー打撃で72スイングし11本の柵越え。三振しない「最後のテクニック」を伝授した。リードの取り方など走塁技術も惜しみなく指導。チームは22年センバツで初の4強進出と快進撃につなげた。

◆<3>千葉明徳(21年12月2、3日)初めて甲子園出場経験のない高校を訪問。ナインだけでなく指導者にも助言。「(練習は)メリハリが大事。ダラダラが怖い」と話し、試合中の采配についても具体的なアドバイスを送った。今夏は甲子園出場した市船橋に4回戦で敗れた。

◆<4>高松商(21年12月11、12日)21年夏の甲子園で智弁和歌山に敗れた長尾監督が「イチローさんにうちにも来てほしい」とラブコールを送って指導が実現。翌年巨人にドラフト1位指名される浅野翔吾(巨人)らを前に、狙いを説明しながらフリー打撃を行うなど手本となって技術を伝えた。「この2日間の時間をたまに思い出してほしい」とティー打撃で使用したバットをプレゼント。同校は今夏の甲子園で8強入りした。