野球人口減少ストップへ、聖光ナインが一肌脱いだ。今夏の甲子園で4強入りした聖光学院(福島)が11日、同校主催の「少年野球教室」を初開催。伊達市内の同校グラウンドに福島と宮城県内から約160人の小学生が集まり約4時間、軟式球を使用して交流を深めた。

選手が主体となって企画、運営を行った。リーダーの梅川輝内野手(3年)は「大成功かなと思います。時間通りに進行できましたし、100点満点」と笑顔で振り返った。計画を練り始めたのは約2週間前。梅川を中心に意見を出し合い、メニューから時間配分まで試行錯誤を重ねながら完成させた。各ポジションごとに9班に分かれ、30分交代で走攻守それぞれでアドバイスを送った。「小学生を飽きさせないで、どうやったら楽しんでもらえるかを一番に考えた。笑顔が見られたので、やって良かったなと思います」と充実感を漂わせた。

赤堀颯前主将(3年)は小学生たちに金言を授けた。「練習を本気で頑張る。試合を楽しむなら、練習で苦しむ。練習で楽をしては試合は楽しめない」と努力する大切さを説いた。実技ではバントのコツなどを伝授し、予定にはなかったランニングスローを実演。指導は基礎に加え、応用にまで及んだ。「小学生に教える経験がなかったので難しかったですけど、小学生の笑顔を見ていると、自分も楽しくなりました」と声を弾ませた。

午後は2、3年生がシートノックを披露。外野から本塁への矢のような送球、内野の軽快なグラブさばきに小学生は「おぉ~! すっげー!」と、思わず声を上げた。今夏の甲子園を沸かせた“スーパーヒーロー”の姿を目に焼きつけ、子どもたちはグラウンドを後にした。【佐藤究】

■質問コーナーで中日ドラ4山浅も苦笑い

実技指導後には、笑いありの質問コーナーが設けられた。夏の甲子園で勝負強い打撃を見せ、中日ドラフト4位指名の山浅龍之介捕手(3年)が小学生からの“ド直球質問”に差し込まれた。「山浅選手に質問です。なんで甲子園であんなに良い打球を打てていたのに、ホームランは打てなかったんですか?」。これには山浅も苦笑いを浮かべ「鋭い質問でびっくりしているんですけど、もしかしたら日頃の行いが悪かったのかもしれません」と笑いを誘った。さらに、年俸の使い道を問われ「大事に使っていこうかなと思いますけど、将来的には聖光のグラウンドを新しくできるような選手になりたいと思ってます」と力強く答えた。