第95回記念選抜高校野球大会の出場校が27日、発表される。一般枠、神宮大会枠で計7枠がある近畿地区は今年も激戦。昨秋の近畿大会8強に入った4校はそれぞれの思いで吉報を待つ。

近畿大会の準々決勝から約3カ月。確定ラインの4強入りを逃した4校は長い冬を過ごしてきた。1回戦敗退組の“逆転”はないとすれば、この4校から3校が選出される。4校ともプラスポイントを持つ。

19年夏に甲子園Vの実績がある履正社(大阪)は投打のバランスが高い。昨年4月就任の多田晃監督(44)は「選ばれると期待してやってきた」と甲子園モードを貫く。伝統の守備力も売りだが近畿大会は報徳学園(兵庫)に6-9。エース増田壮(2年)らの力投を生かせなかった。監督は「失点をどう抑えていくか」と妥協なくナインに問い続けている。

初の甲子園を目指す彦根総合(滋賀)は3投手が強だ。昨秋は大阪桐蔭を序盤リード。新鋭誕生の戦いぶりだったが、エース野下陽祐(2年)が4回に一挙5失点。「桐蔭さんに力で押せなかったので直球を磨いている。甲子園は1度は行ってみたい場所」と気合を込める。

社(兵庫)は1回戦で奈良1位の天理から13得点。投手も県大会から高橋大和投手(2年)が奮闘した。山本巧監督(50)は「秋からずっと進化を続けている」とエースの成長を認める。

そして高田商(奈良)。1年生左腕の仲井颯太が近畿1回戦で乙訓を2安打完封。主将の北嶋悠輝捕手(2年)は「(近畿大会に出た)16校の思いがある。出られた時は、その思いに恥じないプレーをしよう」とナインに訴えた。選考ガイドラインには地域性や試合内容も重視すると明記された。注目の結論は果たして-。【柏原誠】