報徳学園が2試合連続タイブレーク勝ちで6年ぶりに4強に進んだ。10回2死満塁。山増達也外野手(3年)が直球を左前にはじき返して試合を決めた。5打席凡退後のサヨナラ打にヒーローは「ホッとしている。回ってこいと思っていた。自分で決めようと打席に入った。本当に最後、打ててよかった」と喜んだ。

2点リードの9回2死一塁から中堅への飛球を岩本聖冬生(いぶき)外野手(3年)が落球し、同点劇を招いていた。ナイターで照明が点灯し、左翼を守る山増も「正直、見えづらかった。そういう日もある。カバーするしかない」と切り替えた。

仙台育英の戦いは目に焼き付けていた。指導者発案で昨夏甲子園決勝を観戦。「試合を勝ち上がるにつれて仙台育英とここでやりたいなと。実際にやれて良かった。強かったですし、底力があった」と対峙(たいじ)しての学びも得た。

準決勝の相手は同校OBの西谷監督率いる大阪桐蔭。大角健二監督(42)は「最もやりたい相手。報徳の大先輩でもある西谷先生に、報徳の校歌を聞かせてあげられたら」と宣言。昨秋の近畿大会決勝で敗れており、山増も「絶対に勝ちます」と言い切った。リベンジを果たし、頂点へ弾みをつける。【林亮佑】

◆西谷監督が母校と対戦 大阪桐蔭・西谷監督が準決勝で母校の報徳学園と当たる。過去の対戦は1度あり、08年夏に7-4で勝っている。

◆報徳学園の連覇阻止 仙台育英の夏春連覇を阻止した報徳学園は、02年春1回戦で日大三の夏春連覇を阻止して優勝。横浜の夏連覇を阻止した81年夏も優勝している。

◆2試合連続サヨナラ勝ち 報徳学園が東邦戦に続くサヨナラ勝ち。センバツの2試合連続サヨナラ勝ちは、16年に智弁学園が準決勝の龍谷大平安戦、決勝の高松商戦で記録して以来。報徳学園のサヨナラ勝ちは春夏通算11度目。最多13度の中京大中京に次ぎ、PL学園の10度を抜いて単独2位に浮上した。