3月31日で高校野球の監督を退任する日大三・小倉全由監督(65)は31日、東京・町田市の同校野球場で帝京との練習試合で監督生活最後の1日を終えた。試合は日大三が2度先行されながら、2ランとソロの2本のホームランで追いつき、3-3で引き分けた。

試合後の小倉監督は、この日のために球場を訪れていた前田三夫前帝京監督(73)と、固い握手を交わして感謝を示した。前田氏は「節目の日に小倉監督の姿を見ようと思いやってきました。私ごときが、何かを言うのはおかしいとは思いますが、小倉監督が関東第一、そしてこの日大三高で強いチームを作ってきたからこそ、私も帝京で負けずとやってこれたと思っています。感謝の気持ちとともに、長いこと本当にお疲れさまでしたという思いです」と、スーツに身を包み、穏やかな口調で送る言葉を述べた。

小倉監督はじっと前田氏の言葉に聞き入っていたが、こちらも万感こもった表情で「前田さんが率いた強い帝京さんに必死で食らいつき、ここまでやってくることができました。前田さんがいたから、今日まで一生懸命に高校野球に没頭できました。本当にいい星の下に生まれた幸せものです」と言い、前田氏に深く感謝の思いを伝えた。

また、小倉監督から野球部監督を引き継ぐ三木有造部長(48)も「前田さんにこうして足を運んでいただき、うちの監督の最後の日に花を添えていただきました。ありがとうございました」と前田氏にあいさつした。そして、三木新監督は白窪秀史コーチとともに、これからの日大三高野球部をもり立てていく決意を新たにしていた。