奈良県内で4年ぶりに行った3日間の合宿を打ち上げた。

最終日にダントツの注目を浴びたのは最速149キロ右腕の滝川二(兵庫)・坂井陽翔投手(3年)だった。春季大会を戦っていたため、5日の夕方にグラウンドに到着した。他の選手はクールダウンを始めており、同日の紅白戦は見ることもできなかった。最終日にやっとメンバーと一緒に体を動かした。

遅れてきた分、おいしい思いもした。他の投手がストレッチをしているすぐ横で、坂井はブルペンを独占。投手陣のほか、代表スタッフ、スカウト、報道陣らの視線を独り占め。投球練習ながら、最速144キロを計測し、得意のスライダーも切れ味抜群だった。直球がプロでも一流レベルの毎分2400回転を計測し、初めて計測した本人も喜んだ。打撃でも大飛球を連発。わずか1日で投打にパワーとセンスを発揮した。

合流した5日、代表メンバーで誰よりも早く18歳の誕生日を迎えた。「いい緊張感があって、名前を聞けば分かるようなトップクラスがたくさんいる中で、いろいろなことを吸収できた。なかなか自分から話しかけるのは難しいですが、全員が声をかけてくれて、いいチームだなあと。自分だけ取り残された感じだったんですけど(笑い)」と充実感たっぷりだった。

馬淵史郎監督(67)も「ボールが速いですね。夏に向けて、どれだけ底上げできるか。非常にいいものを持っている」と期待を寄せた。