昨秋東北大会8強の山形中央が、創学館に14-2で5回コールド勝ちした。

U18日本代表候補選手強化合宿に参加した武田陸玖投手(3年)が「2番一塁」で出場し、2安打2打点で打線をけん引した。山形学院は東北文教大山形城北に14-7で7回コールド勝ち。鈴木俊太外野手(2年)が高校初本塁打を含む3安打3打点で活躍した。勝利を収めた両校は、県大会(5月20日開幕)出場を決めた。

武田の一打が大勝発進の流れを呼び寄せた。2点リードの2回2死一、三塁、1ボールから狙っていた外角高め直球を「全力で振り抜いた」。打球は中越え2点適時三塁打となり、続くチャンスに2安打1死球でこの回6得点を挙げた。5回には右前打で出塁し、捕逸と三盗で進塁。右犠飛でダメ押しの14点目のホームを踏んだ。

打線はこの日、武田を含む4人が2安打を放つなど11安打14得点をマーク。奈良崎匡伸監督(30)は「しっかり自分たちでピッチャーに対してどう攻めていくかを割り切り、振っていけたのは良かった」と評価した。5月下旬からは夏に向けた収穫と課題を得る県大会が始まる。指揮官は「守備から相手にプレッシャーをかけて、リズムを持ってくる。打てない時期が絶対に来ると思うので、できる限り最少失点に抑えることを大事にしたい」と力を込めた。

武田は4月上旬、U18日本代表候補選手強化合宿で世代トップレベルと切磋琢磨(せっさたくま)。野球に対する意識の差を感じ、チームに「『もっと意識高くやっていこう』と言ってきた」。すべては夏の大会を制するため-。今春の目標は「常に夏を想定して1試合1試合(力を)出し切ること」と言い切った。

昨秋東北大会準々決勝、東北(宮城)戦は2点リードの8回、四球と自身の失策がからんだ連打で4失点を喫し、痛恨の逆転負け。「『勝てる!』と思ってしまい、そこで気持ちが抜けて点を取られてしまった。先を見ないで目の前に集中するというのを大切にして試合に臨みたい」。常に本気の公式戦。“負けたら引退”の独特な緊張感を意識して春を戦う。【相沢孔志】

 

山形学院 昨秋東北大会出場校を相手に、両軍2桁安打の打撃戦を制した。鈴木が1点リードの6回1死二塁、内角高め直球を引っ張り、風の後押しを受けた打球が左翼芝生席に飛び込んだ。右腕を突き上げて喜びながらダイヤモンドを1周し「チームに勢いが出たと思った」。3点リードの7回は4安打3四死球で4得点を挙げ、2試合連続コールド勝ちを収めた。今春の目標は東北大会出場。「チームの勝ちにつながるよう、自分のできることを常に考えて臨みたい」と意気込んだ。