藤枝明誠の寺下颯真(3年)には二刀流での期待が懸かっている。打っては不動の4番。182センチ、97キロの屈強な体格を生かした力強いスイングが武器で、高校通算34本塁打を放っている。チャンスで打てる勝負強さも兼ね備える大砲は「毎打席自分のスイングをして、チームに貢献したい」と闘志を燃やす。

守備では投手兼一塁手。マウンドに立てば自慢の速球で打者を圧倒するつもりだ。今月中旬に行った名門静高との練習試合では3イニングを任され、1安打4奪三振で無失点。直球は自己最速の146キロをマークした。納得の投球内容に、「自信が確信に変わった」。開幕に向けても心身共に万全の状態なようで「体はどこも痛くないし、順調な調整ができた」と手応えを口にした。

高校入学時から頭角を現し、試合に出場する機会もあった。ただ、虫垂炎の手術などで長期離脱も経験。昨夏は3回戦敗退。入学後の2年半は「悔しい気持ちが強い」と満足はしていない。今春もシードを獲得したが、準々決勝で敗退。寺下は「自分も思ったような結果を出せなかった」と反省を忘れなかった。

同校が目指すのは6年ぶりの甲子園出場。つなぐ野球で頂点を目指す。「決勝で負けたら初戦敗退と同じだと思っている。優勝しか考えていない」と寺下。投打で今夏の主役になる。【神谷亮磨】

◆寺下颯真(てらした・そうま)2005年(平17)4月4日、静岡市生まれ。小1から小6までソフトボールチームに在籍。中学時代は静岡南中で軟式野球。182センチ、97キロ。血液型B。家族は両親。右投げ左打ち。