道内屈指の公立進学校・札幌南が11-7で、昨夏の甲子園出場校・札幌大谷を破り、8年ぶりの南北海道大会進出を決めた。1回表に巨人岡本と同姓同名で、ファンでもある左打者の岡本和真一塁手(3年)が初球をたたき、右中間に運ぶ先頭打者本塁打で先制した。ロケット開発者を目指す岡本は「データを見たら、(札幌大谷の)初球はすべてアウトコースの真っすぐだったので踏み込んで打った」と、笑顔を見せた。

1-2と逆転を許して迎えた6回には、7番の岡田陽亮三塁手(3年)が、無死一、二塁で右中間に3点本塁打を放って逆転。同じ回に巡ってきた2回目の打席も右中間に満塁本塁打をかっ飛ばして、試合を決めた。両翼92メートル、中堅111メートルの球場で1イニング2発の岡田は、1回戦の北星学園大付戦でバックスクリーンに打ち込んだ公式戦初本塁打から、今大会3戦連発の4本と爆発。「去年は(エンゼルスの)トラウト選手など、メジャーの打者をまねてアッパースイングにして、ポップフライが多かった。今年はウエート半分、その他の練習を半分にして力がついたので、ボールをしんに当てて、ライナーで飛ばせば届く自信があった」と、力強く話した。

チームは「個別最適化」をスローガンに、全体練習を週1回に限定。北大大学院の野球部OBが研究に利用するモーションキャプチャーなどの装置も利用しながら選手個々の課題を明確化し、修正に取り組んできた。夏は2000年に3度目の甲子園出場を果たしている。岡本は「(今年初めて南北海道大会の準決勝、決勝が行われる)エスコンで勝って、甲子園にも行ける実感が沸いてきた」と、目を輝かせた。【中島洋尚】

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