初回1死一塁。国学院久我山(西東京)の木津寿哉投手(3年)がカウント1-1から振り抜いた打球は、右越え2点本塁打となり、笑顔で先制のホームを踏んだ。「初戦ということで緊張はあったが、初回で打てたことで体がほぐれた」。4回にも中前適時打を放ち、2安打3打点と活躍した。

背番号1を背負うエースだが、この日は「3番左翼」で出場した二刀流。投手としての実力も高く、182センチの長身から投げ下ろす最速140キロの直球は迫力十分だ。昨秋の東京都大会1回戦で肩を痛め、オフは体作りに専念した。「白米の量を以前より茶わん2杯分増やしました。栄養士の方に勧められて、納豆もよく食べるようにしました。タンパク質豊富なのがいいですね」。

納豆パワーで完全復活し、春大会以降は投球練習を再開。無限の可能性を秘める二刀流エースの夏がついに始まった。【玉利朱音】