西京極に大型怪腕が現れた。プロ注目の最速146キロ右腕、北嵯峨の木瀬が今夏初登板初先発。185センチの長身から繰り出す角度ある真っすぐを主体に9回を4安打1失点、10三振を奪う力投で161球の完投を決めた。好投手の日星・荒木嵩晴(たかはる、3年)との投げ合い。「去年の秋に一回練習試合をして1点差で負けた。勝ってやろう」とリベンジを決めた。

2回の押し出し四球が唯一の失点。「投球フォームを審判に指摘されて気にしすぎていた」というがしっかりアジャスト。6つの球種を操るが「真っすぐしか放っていない。要所要所で抑えられた」と武器の直球で相手打線を抑え込んだ。

部のトレーナーのサポートを受け、最速は入学当初の130キロから16キロもアップ。「体の使い方やトレーニング、体重の増やし方など体のことを考えた」と努力を惜しまず、プロ注目選手に成長した。

日本ハム武部義人スカウト(35)は「粘って完投できるのがいい。(この日は)最速も143キロ出ていた」と高評価。牧野隆史監督(42)も「真っすぐが強くいける。真っすぐが一番の生命線。磨いてほしい」とのびしろへの期待は大きい。プロの注目には「落ち着いて夏が終わってから話しをしよう。大学に行っても上(プロ)につながる」と熟考。木瀬も「目標はプロで活躍すること」と夢見るが「大学も視野に入れています」と真剣に向き合う。

京都8強をかけ、20日に立命館と4回戦を戦う。「去年もここ(西京極)で登板して先輩を勝たせられなかった。自分のやってきたことを信じようと」。96年以来の夏の甲子園を大目標に、腕を振る。【中島麗】

◆木瀬翔太(きせ・しょうた)2005年(平17)4月5日生まれ、京都府亀岡市出身。5歳から大井小6年まで大井カープスで捕手としてプレー。大成中時代は同校の軟式野球部と軟式の「南丹ベースボールクラブ」に所属し投手を務めた。北嵯峨では1年春に背番号18でベンチ入り。2年春に背番号10、2年秋から背番号1。。右投げ右打ち。球種は、直球、スライダー、斜めいっぱいのスライダー、チェンジアップ、ツーシーム。50メートル走6秒4。185センチ、85キロ。目標の投手はオリックス山本。

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