<高校野球愛媛大会:聖カタリナ学園5-1帝京第五>◇21日◇3回戦◇松山中央公園野球場

エースが1失点完投した聖カタリナ学園が、昨夏Vの帝京第五を破ってベスト8に進出した。

聖カタリナ学園は、プロ注目右腕・河内康介(3年)が、強気の投球で前年覇者をねじ伏せた。序盤はストレート主体で攻め、「相手が狙っているなと思ったので」と途中からは得意のスライダーを交えて、相手を手玉に取った。3回に内野安打の間に1点を与えたが、その後は余裕すら感じさせるピッチング。「ピンチの場面でインコースに投げられるようになった。気持ちの面で春から成長できていると思います」と、マウンド度胸も付いてきた。

この試合では、自身最速を2キロ上回る150キロも計測。「背筋と脚全体を鍛えてきた」というフィジカルトレーニングの成果も発揮し、全12球団のスカウトが見守る中で、その評価をさらに上げる仕事ぶりだった。

視察したロッテの黒木純司スカウトは、「初速と終速の差があまりなく、ボールの質が良い。将来性のある素材」と評価。プロもその伸びしろの大きさに目を光らせる。

速球で押す投手として目標にするのは、「自分でも少し似ているタイプじゃないかと思っています」という吉田輝星。「わかっていても打てないストレートを目指してやっていきたい」と将来を見据える「伊予の吉田輝星」が、シード校が次々に姿を消している波乱の愛媛大会で、甲子園まであと3勝に迫った。