第105回全国高校野球選手権記念大会(6日開幕)に出場する49代表校の甲子園見学が7月31日、スタートした。先陣を切ったのは高校通算140本塁打の佐々木麟太郎内野手(3年)を擁する花巻東(岩手)。昨春センバツ以来、自身2度目の聖地に立ったスラッガーは「改めて甲子園でプレーできることに感謝の気持ちしかない。岩手を代表して来たので、自分たちのベストを尽くして戦い抜きたいなと感じていました」と雰囲気を味わった。

プレーするイメージを膨らませた。約15分の見学時間で佐々木麟は時折、笑顔を見せながら本塁と一塁を往復。左打席でスイングするそぶりをしたり、自身が守備に就く一塁付近で二塁手の千葉柚樹主将(3年)と話し込むなど守備位置を念入りに確認した。「短い時間でしたけど、貴重な時間だった」。初戦に向けて予行演習を完了した。

甲子園初出場となった昨春センバツは1回戦で市和歌山に敗れ、佐々木麟も4打数無安打1死球2三振に封じられた。高校通算本塁打で歴代最多を誇り、聖地1号の期待がかかるが「記録は意識していないし、とにかくチームが勝つために自分も身を徹してプレーしたい」と強調する。

昨夏の甲子園では仙台育英(宮城)が東北勢初優勝を飾り、頂点への思いはより強くなった。「自分たちもすごく刺激をいただいた。岩手大会から1戦1戦勝ち抜いてきて、甲子園でも勝つことだけを考えて戦い抜きたいと思います」。チームスローガン「岩手から日本一」を達成するために一戦必勝を貫くだけだ。【山田愛斗】