関東第一(東京)が史上初の3連覇を狙った大阪桐蔭を変幻自在リレーで撃破した。

技巧派左腕の畠中鉄心投手(2年)と、最速145キロ右腕の坂井遼投手(2年)の2枚看板を誇る同校は熊本国府戦を坂井がリリーフとして5回2失点の好投。初戦を突破した。次なる強敵に先発を託された最速135キロの畠中は、「まっすぐに強いチームって聞いていたので」と、持ち味の緩急を生かした。

試合直前までの降雨にも「特に影響は感じなかった」と集中力は切らさない。1回表、1球目。「変化球でかわすイメージで」と96キロのカーブで、見逃しのストライクを取った。先頭打者からの上位打線を110キロ台の変化球で仕留め、計9球で3者凡退。米沢貴光監督(48)が「甲子園で見た時、初回で得点されるケースがすごく多くて、その勢いを止めたいのもありました」とにらんだ初回を無得点に封じ、大阪桐蔭のプランを狂わせた。

守備のリズムを攻撃につなげた。2死三塁、主将の高橋徹平内野手(2年)が145キロ直球を遊撃前に転がして適時内野安打を決めた。最速150キロ超の投手を3人そろえる相手対策として米沢監督から指示されていた通り、たたきつける打球で先制点を奪った。

6回に1点差まで迫られたが直後に4得点で突き放し、3投手のリレーで逃げ切った。神宮の湿った人工芝では「雨で打球が伸びる。ゴロを打てば抜ける」との地の利も生かした。4回2安打無四死球で大阪桐蔭のリズムを崩した畠中は「低めを意識して打たせることができた。優勝を目指してやっているので、次も勝って決勝に進みたい」と胸を張った。

優勝候補を撃破したが、米沢監督は「素直にうれしいことですけど、甲子園の土のグラウンドだったら抜けてない打球も多いですし、そういうのを差し引いて考えてほしいなというのは(選手に)伝えるつもりです」と球場の特徴を踏まえて、神宮での一戦を振り返った。【佐瀬百合子】

 

【明治神宮大会】大阪桐蔭が初戦敗退、3連覇ならず 関東第一と星稜が4強/詳細