九州王者の熊本国府は阿南光(徳島)に0-3で完封負けし甲子園初出場2勝は夢に終わった。プロ注目の最速146キロ右腕、吉岡を攻略できず5安打で、6回以外毎回の14三振を喫した。

阿南光のドクターKの前に、バットがクルクル回った。9回も約140キロの球威で押され、2死二塁から、2番野田主将が120キロ変化球に態勢を崩して、2戦連続となる14個目の三振を喫した。

7回、この日最速143キロを空振り三振した5番岡本は「外のスライダー、内のスライダーで追い込まれ、最後は真っすぐと分かっていたが、伸びとスピードがすごかった。今まで見たことがない」と脱帽した。

野田主将によると、練習では「バッティング投手に2段モーションをまねしてもらい、速球を意識してきた」と吉岡投手を完コピ。速球対策は「15メートルから150キロ設定のマシンの球を見て慣れた」とベストを尽くした。だが「人の生きた球は練習とは違った」と岡本。完敗だった。

それでも甲子園初勝利は財産だ。エース坂井は「夏はチーム一丸で目標のベスト4を達成できるようにしたい」と再起を期した。【菊川光一】