阿南光・吉岡暖(はる)が14三振を奪い完封勝利。今大会では創志学園・山口も別海戦で14奪三振の完封をマークしたが、吉岡は無四死球を加えた。金属バット採用後(春は75年以降)、春に14奪三振以上の無四死球完封勝利は12年浜田達郎(愛工大名電=元中日)、21年石田隼都(東海大相模=現巨人)に次ぎ3人目となった。

浜田と石田は左投手。右投手では73年江川卓(作新学院)もやっていない。延長戦を除き、右投手では61年の「怪童」尾崎行雄(浪商=日大二から9回17奪三振)以来63年ぶりになる。当時の日刊スポーツ紙上に載った尾崎のコメントには「のんびり投げました」とあり、大物ぶりを感じさせる。また、センバツで公立校の投手が14奪三振以上、無四死球完封は58年開幕戦の柏本貞一(御所実=函館工から14奪三振)以来だった。【織田健途】

◆2試合連続2桁奪三振 阿南光・吉岡が記録。センバツでは22年山田陽翔(近江)が準々決勝の金光大阪戦、準決勝の浦和学院戦で各10個を奪って以来。徳島県勢がセンバツで1大会2度の2桁奪三振は83年水野雄仁(池田=準々決勝の大社戦11個、決勝の横浜商戦10個)以来。