阿南光(徳島)が初の甲子園8強入りを果たした。エース吉岡暖(3年)が5安打14奪三振で完封。歴史をつくり「うれしい」と笑顔だったが、自身の投球には「ピッチャーとしての役割は果たせた」とさらり。頼れる右腕が新たなステージに導いた。

4回まで2奪三振ずつと、カットボールを効果的に使って序盤から三振の山を築いた。「初球からストライクを取ることができたのでうまく三振が取れた」。毎回のように先発全員から三振を奪うなど14K。1回戦・豊川戦でも11奪三振で計25Kと寄せ付けなかった。

18年4月から新野と阿南工が統合し「阿南光」が誕生。校名も広まりつつあるが「はたから見たらどこやねんみたいなところ。名前を広げられたら」と自身同様に全国区へ押し上げるつもり。次戦は神宮王者の星稜。「チャレンジャーという気持ちでとにかく積極的にできたら」と地区王者“3連倒”を狙う。【林亮佑】

◆2試合連続2桁奪三振 阿南光・吉岡が記録。センバツでは22年山田陽翔(近江)が準々決勝の金光大阪戦、準決勝の浦和学院戦で各10個を奪って以来。徳島県勢がセンバツで1大会2度の2桁奪三振は83年水野雄仁(池田=準々決勝の大社戦11個、決勝の横浜商戦10個)以来。