阿南光(徳島)は2安打完封負けで敗れ、初の4強はならなかった。

プロ注目の最速146キロ右腕、吉岡暖(はる)投手(3年)は、2回途中から救援して8回4安打1失点で5三振を奪った。だが、3試合連続登板で計30奪三振の力投報われず、聖地を去った。

疲れなどを考慮されて、3戦目にして初のベンチスタートとなったが、先発の大坂将太投手(2年)が早々に強力打線につかまり、「思ったより早くて、うれしかった」と2回途中から出番がやってきた。当初は4回めどの登板予定だったが、2回無死三塁、相手7番に適時打を打たれた直後、監督に「投げたくてしょうがなくて『いつ行くんですか』と聞きに行った」と直訴して、ブルペンへ。その後、無死一、三塁でマウンドに上がった。相手1番の二ゴロ併殺の間に1点を失ったが、続く2番を131キロで見逃し三振に仕留め「1点はOK。最少失点に抑えられた」と前を向いた。

3連投の影響か「張りもあった」という。それでも変化球を多投し「コントロール重視で、うまく打ち取れた」と投げ抜いた。2連続盗塁を許してピンチを拡大した4回1死三塁、相手8番の右前適時打で1点を失ったが「いい経験ができた。秋(明治神宮大会)優勝のチームと戦えて、経験はこれから人生で成長できると思う」と収穫を強調。今大会を振り返り「持ってる力は出しきれた。悔いはない」。夏へ、大きな財産となった。【菊川光一】

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