八丈(東東京)が東に逆転勝ちし、2年ぶりの夏2勝目を挙げた。

2点ビハインドの6回無死一、二塁。4番上ノ山翼外野手(3年)は前打席のオレンジではなく、黒いバットを手に打席に入った。「今日はあまり自分のスイングができてなくて」。3打席目まで無安打だった内容を反省。いつもより軽いバットで振り抜いた打球は、レフトの頭上を越える同点の2点適時二塁打となった。

チームのためにという思いは人一倍強い。中学3年の夏に右腕を骨折。「そこでちょっとトラウマに」と、高校では仲の良かった先輩の誘いもあってサッカー部に入部した。しかし、その先輩が部活を辞めてしまったことで、サッカー部にいる理由がなくなった。そんな時、奥山類主将(3年)をはじめとした野球部の選手たちが声をかけてくれた。みんなの思いに応えたい、その一心で努力を重ねた。笹本義範監督(50)も「思いっきりがいい」と評価するなどチームの4番を任されるまでに成長した。

八丈の卒業生はほとんどが島外へ進学や就職をするが、八丈島出身の上ノ山は「ちょっとでも貢献できたら」と島内での就職を希望する。野球部の仲間、そして島の人たちへの恩返しの夏は、まだまだ終わらせない。【水谷京裕】

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