来春のセンバツ甲子園の出場権をかけた秋季高校野球の道内10地区予選が5日、札幌地区を皮切りにスタートする。夏は地区予選で敗退した強豪、東海大四がリベンジの秋を誓っている。投手陣の軸は左腕・森本裕太と右腕・宇佐美優人の1年生コンビ。ともに182センチの長身で森本は変化球、宇佐美は速球が持ち味だ。タイプの違う2枚看板で01年以来のセンバツ切符を目指す。

 夏の悔しさを1年生コンビが晴らす。今大会、エース番号の「1」を射止めたのは左腕の森本だ。スライダー、カーブの変化球の制球力は抜群。182センチ大型ながら、大脇英徳監督(34)は「0-3のカウントからでもストライクを3個取れる」と、全幅の信頼を置く。

 1年生だけに公式戦の経験は、この夏の地区予選1イニングだけと少ないが、新チームでは、実力を証明する投球を見せた。8月、慶応(神奈川)との練習試合では先発し、被安打6、与四死球4ながら奪三振11で1-0と9回完封勝利を収めた。その後も8試合登板し5勝負けなしの好成績を残した。

 打撃も非凡、3番を打ち、登板しないときは一塁を守る。長打力もあり練習試合では2本塁打を放った。森本は本格デビューに向け、手応えを感じながら慢心はない。「投球フォームで直すところがある。制球も変化球に比べ直球がイマイチ」と修正点を上げる。

 右腕の宇佐美も背番号こそ11だが、森本に負けてはいない。昨年、札幌新琴似シニアで地元開催の全国大会優勝に貢献した。長身からの直球は威力十分。体重が63キロとまだ成長途上だが、大脇監督は「三振が取れる、素質は素晴らしい。これからが楽しみ」と高く評価する。宇佐美自身も「直球の制球に磨きをかけたい」と話した。チームは昨年春に全道優勝。その効果もありレベルの高い1年生36人入部、2年生17人と切磋琢磨(せっさたくま)し、培った力をぶつける。【中尾猛】