<高校野球東東京大会:足立学園12-0大森学園>◇15日◇3回戦

 「下町のダル」吉本祥二投手(3年)のライバルが好投した。足立学園の背番号13、篠原慎投手(3年)が、大森学園との3回戦に先発。5回4安打無失点で7回コールド勝ちに貢献し“吉本温存”という役目を果たした。

 別々の中学に通った吉本と篠原は軟式野球のチームメートだった。投手としてしのぎを削り、08年の都大会決勝では吉本が2回、篠原が5回を投げて初優勝した。吉本が足立学園に進学を決めた際に「絶対、一緒に来いよ」と誘い、篠原も足立学園を選んだ。

 187センチで最速148キロの吉本に対し、169センチの篠原は変化球で打たせて取るタイプ。高1の秋は篠原が背番号1だったが、昨春からはケガから復帰した吉本がエースとなり、プロが注目する不動のエースとなった。

 篠原の父公二郎さん(48)は「『高校で絶対吉本を超えてやる』と意気込んでたけど、差がついてしまいましたね」と言う。篠原は「もう割り切っています。吉本を温存するために投げたい」。カーブを投げる際の手首の角度が悪いと、吉本に助言することもあるという。6年間競い合ったエースを援護しながら夢の甲子園を目指している。