<高校野球京都大会:龍谷大平安6-3福知山成美>◇24日◇準決勝

 京都大会で龍谷大平安が決勝進出を決めた。強敵の福知山成美を撃破。「銀仁朗2世」こと高橋大樹捕手(2年)が今夏2、3号となる2打席連続本塁打を放ち、2年ぶりの夏切符と京都大会最多4本塁打にダブル王手をかけた。

 弾丸ライナーが、芝生の中堅スタンド席に飛び込んだ。2打席連続だ。スーパー2年生高橋は、2回に先制ソロ、4回にも豪快な一発で1点を追加した。本来は捕手だが「打つ方に意識がいっている」(原田英彦監督)と右翼で先発出場。期待通りに打力で勝利に大きく貢献した。

 まだあどけなさの残る高橋だが、こと野球になると研究熱心だ。「打てなくなるとフォームをいじる」。調子に応じて毎試合、ルーティンも変えている。無安打に終わった3回戦の京都共栄学園戦で「力んでいる」と監督からアドバイスを受け試行錯誤した。前夜、寮で素振りをして、ようやく感覚を取り戻した。「(調子の良かった)春のバッティングに近づいた。今日の試合に間に合って良かった」とはにかんだ。

 この2発で今大会3号目。18日、降雨ノーゲームとなった東山戦での幻のアーチもある。OBの西武銀仁朗が持つ1大会4本塁打の京都記録にもあと1本。銀仁朗も指導している原田監督は高橋を「体が強い。足も速いし、体幹がしっかりしている」と評価する。持って生まれた素質は申し分ない。高橋も先輩の記録は知っているが「意識せず、狙わずにいきたい」とあくまでマイペースだ。

 この日の先発メンバーは4人が2年生。「若い勢いできたので、失策や走塁ミスもあった。でもうちは打ち勝つチームなので、それでいこうと思う」と原田監督は意気込んだ。若き主砲の2打席連発で、勢いは最高潮。名門が2年ぶりの夏制覇に王手をかけた。