<全国高校野球選手権:如水館7-4東大阪大柏原>◇13日◇2回戦

 脅威の1年生4番だ。全国高校野球選手権大会8日目の13日、広島代表の如水館が東大阪大柏原(大阪)との2回戦を戦い、延長10回に「4番三塁」の島崎翔真(1年)の勝ち越し打もあり、勝利を飾った。初戦の関商工(岐阜)は延長13回、3-2サヨナラ勝利。大会最年長の迫田穆成(よしあき)監督(72)率いるナインが、よりたくましくなってきた。

 1年生4番が快音の余韻に浸った。延長10回1死一、二塁。カウント2-2からの6球目カーブをとらえる。痛烈な中前打で門田の生還を見届けると、一塁側ベンチに向けて会心の笑みを浮かべた。

 2点リードの7回に自らの失策もあり追いつかれての延長戦だっただけに喜び倍増だ。お立ち台で「ほっとしました。エース浜田さんのおかげです」と笑った。

 持ってる。島崎は初戦でも4安打2打点の活躍でサヨナラ勝利に貢献した。この日は試合途中に、突然思いついて、中学生まで採用していたすり足打法に戻し、2安打1打点。4万人に膨れあがった完全アウェーの聖地でも、15歳は冷静だった。

 打法に関しては、いろいろなパターンを試している。如水館進学前、それまではすり足打法だったのだが、野球漫画「ダイヤのA(エース)」の登場人物の1本足打法を「なんだか格好良かったので」まねた。だが、やっぱり元に戻した。自分のスタイルを追求する姿に、父雄三さん(38)は「なんて言うか、ナルシストな面がありますよ」と笑うほどだ。

 島崎は10歳を迎える頃に不整脈を患った。中学までは練習中に倒れそうになることもあった。夏場は特に注意が必要だが、如水館入学後は、迫田監督の配慮もあり、今のところ問題ない。猛暑の甲子園だが島崎は「大丈夫です」と言う。

 チームは春夏通じて初の3回戦に駒を進めた。エース浜田は2戦連続の好投。木村は適時失策誘発&ダメ押し2点打とラッキーボーイぶりを発揮している。迫田監督は「島崎はまだ1年生なのによう打ったよ。甲子園を楽しみたいね」。如水館がまとまってきた。【佐藤貴洋】