第94回全国高校野球選手権(8月8日開幕、甲子園)の北北海道大会が明日14日、帯広の森野球場で開幕する。99年以来13年ぶりの帯広開催で、4年ぶりの夏甲子園を狙う駒大岩見沢は大会期間中、幕別温泉から出陣する。植物成分と天然保湿成分を豊富に含んだ十勝幕別の「モール温泉」で、戦いの疲れを癒やしながら頂点を目指す。

 駒大岩見沢ナインが、北海道遺産にも指定される「モール温泉」から、北大会に挑む。温泉宿を出陣基地に決めた佐々木啓司部長(56)は「温泉は体の疲れを取れて気分転換になる」と効果を口にした。13年ぶりの帯広開催で、幕別温泉から甲子園ロードを歩む。

 モール温泉は堆積植物層を熱水が通って湧出した、世界的にも珍しい温泉だ。淡い茶色で、疲労回復、筋肉痛、関節痛などに効果があるとされる。大野文崇主将(3年)も「ゆっくり入って体のケアをしたい」と心待ちにする。帯広は寒暖の差が激しいだけに、体調管理にももってこいだ。

 理由はもう1つある。チームの結束力強化だ。現在は甲子園代表校のように、個室がある宿舎を利用するケースが大半。それでも佐々木部長は「みんなで風呂に入って、食事して、大部屋で寝ることでチームワークができる」と強調した。空知地区3試合18イニング無失点のエース伊藤優也(3年)は「今まで野球を辞めたい時もあったけど、仲間が支えてくれた。仲間と長くプレーしたい」と力を込めた。

 08年以来の夏甲子園に向け、打撃、守備、走塁の各メニューを精力的に行って、細かいプレーを確認してきた。佐々木達也監督(28)は「ケガ人もいなくて順調にきている。今まで培ってきた経験を出せるようにしたい」と話した。チームは今日13日に帯広入りし、公式練習に臨む。

 春8、夏4度の甲子園出場を誇る名門も14年3月末に閉校予定で、夏の甲子園のチャンスは今回を含めて2回。大野主将は「今までやってきたことをしっかり出せば勝てる。勝負どころの1本、ピンチでの冷静さを大事にしたい」と意気込んだ。【吉田智秋】