<高校野球静岡大会:静岡13-2裾野>◇24日◇4回戦◇草薙

 第2シード静岡が裾野を破り、2試合連続で5回コールド勝ちした。1回に5安打などで4点を奪うと、6-2で迎えた5回に打者11人で7得点。1死二、三塁から2番岸山智大内野手(2年)が10点差に広げる2点適時打を放ち、先発全員安打も達成した。

 一塁を回って小さくガッツポーズした岸山だが、最後に安打が出た喜びではなかった。「自分のミスで失点したので」。4回無死二塁の守備で、投前の犠打に対し一塁ベースカバーが遅れピンチを拡大。2失点につながった悔しさがあった。迷惑をかけた先発の鈴木亮投手(3年)は、直前の打席で左手首に死球を受けベンチに下がっていた。「絶対にかえそうと思った」。試合を決定付ける一打に気迫があふれた。

 前日23日の沼津商戦での10-0と比べ「昨日は1点を取るのが雑になったけど、今日は1点を大事にやった」と語る。前日2盗塁のチームはこの日5盗塁と、進塁意識が増した。うち岸山が最多の2盗塁とけん引。比較的恵まれたブロックの中でも、自らに課題を与えて勝ち進んできた。昨年敗退した4回戦を突破し、名門の集中力は研ぎ澄まされている。【石原正二郎】