名誉の負傷を乗り越え、必ず初戦に間に合わせてみせる。第95回全国高校野球選手権大会(8日開幕、甲子園)の北北海道代表・帯広大谷が1日、兵庫・西宮市内で大阪入り後、初練習を行った。北大会決勝で決勝点となる押し出し死球を受けた角雄平三塁手(3年)が、この日から全体練習に部分合流した。「思ったより、動けたのでホッとしています」。実は、死球が直撃した右ふくらはぎは筋挫傷と診断されていた。全治3カ月という想像以上のダメージだった。

 焦っていた。夢を現実にしたが、患部の痛みが引かない。帯広市内の学校での練習再開2日目だった7月23日、無理をしてノックを受けた。「どうしても気持ちを抑えられなくて。さらに悪化した」。翌日以降の練習はすべて別メニュー。不安ばかりが募っていた。

 この日は、患部にテーピングをしてノックやティー打撃を行った。帯同する明本聡トレーナー(31)は動きを見て「筋肉が、だいぶくっついてきている」と順調な回復を確認した。北大会では7番打者ながら、打率5割2分4厘で14打点。チーム2冠のキーマンは「100%は無理かもしれないけど、やれるだけ頑張ります」と意気込んだ。【木下大輔】