例年以上に優勝チームを予想するのが難しい戦国大会の様相だ。優勝候補には昨夏優勝の大阪桐蔭、春夏連覇を狙う浦和学院、強打の日大三、157キロ右腕安楽を擁する済美などが挙げられるが、絶対的な本命は不在。加えて、今大会は試合ごとに次の試合の対戦相手を決める「全試合抽選」が19年ぶりに復活した。次戦以降の対戦相手は未定で、大会全体の流れを読むのも難しい一戦必勝の戦いになる。

 初戦屈指の好カードは優勝候補同士の対戦となった浦和学院-仙台育英だろう。センバツ優勝投手の浦和学院・小島に、ドラフト候補の上林擁する仙台育英打線が挑む。聖光学院-愛工大名電、常総学院-北照、沖縄尚学-福知山成美、明徳義塾-瀬戸内なども好カード。瀬戸内は広島大会決勝で延長再試合を含めて24回無失点に抑えたエース山岡を擁し、試合巧者の明徳義塾封じを狙う。

 79年大会で延長18回の死闘を演じた箕島と星稜がそろって甲子園に戻ってきたのも楽しみな話題。強打の常葉学園菊川、機動力や小技に優れる愛工大名電、熊本大会で40イニング連続無失点を記録したエース山下擁する熊本工なども上位に進出する力がある。

 ◆今大会の組み合わせ

 組み合わせ抽選は95年から昨年まで最初に3回戦までの組み合わせを決めたが、今大会から19年ぶりに回戦ごとの抽選が復活。初戦の対戦だけを決め、以後は試合ごとに勝利チームの主将がその場でくじを引いて次の対戦日時を決める。ただし、次戦のくじは試合間隔が開きすぎたり、連戦にならない日程の範囲から引く。また、03年から2日間に分けていた準々決勝を1日4試合で行い、翌日に大会史上初の休養日を設けた。