157キロ右腕、済美(愛媛)安楽(あんらく)智大投手(2年)が6日、アクシデントに見舞われた。兵庫・明石市内でのチーム練習を回避。前日5日の組み合わせ抽選会から一夜明け、発熱など体調不良を訴えたことが判明した。今後については状態を見ながらの判断となる。済美は第7日(14日)第2試合で三重と対戦する。

 鉄腕がダウンした。今春センバツで772球を投げ、愛媛大会では157キロを記録したスーパー2年生に不安材料が発生した。組み合わせ抽選会から一夜明け、体調不良を訴えた。37度台の微熱が出た安楽は、宿舎での朝食に現れず、練習も回避した。

 主将の宇佐川陸内野手(3年)は「(抽選会から宿舎へ帰る際も)疲れている感じだった」とエースの様子を振り返った。上甲正典監督(66)も「疲れ(の影響)もあるよ」と明かす。愛媛大会では全5試合506球を投げた。普段まったく練習を休まない安楽でも、目に見えない疲労の蓄積と重圧が、知らぬ間に体調の変化につながったようだ。

 済美の初戦は、第7日第2試合の三重戦。比較的余裕のある日程となっていることが幸いだ。上甲監督は「試合が3日後とかだったら困るけど」と、練習回避は大事をとっての判断と強調した。今日7日の開会式リハーサルについては「様子を見て考えます」と、あくまで無理はさせない方針だ。

 ただ、体調不良が長引き、練習再開が遅れると、投球への影響が懸念される。控え投手の宮田優輝(2年)は愛媛大会でわずか2/3回しか投げていない。この日の練習では、三重の左腕・若林優斗(3年)対策として、打撃投手の位置を左側にずらして角度をつけ、打ち返した。宇佐川は「すごいプレッシャーが安楽にはかかっている。少しでも楽にできるようにサポートしたい」と、エースのアクシデントにも動揺せず、一丸となって乗り切る覚悟だ。