＜練習試合：高校日本代表５－０関大＞◇２６日◇大阪ガス今津グラウンド

　１８歳以下の野球ワールドカップ（３０日～９月８日）に出場する高校日本代表が、兵庫・西宮市内で関大と練習試合を行い、勝利した。４番に座った園部聡内野手（福島・聖光学院３年）が５回、あとわずかで場外かという特大のソロ本塁打を放った。木製バットへの対応に注目が集まる中、代表チーム結成後初めての実戦でいきなり結果を出した。同代表は今日２７日に関西学院大と練習試合を行い、明日２８日に大会開催地の台湾に向かう。

　左翼手は１歩も動けず、打球の行方を見上げることしかできなかった。５回。４番園部が、２ボール２ストライクからの直球をとらえる。白球は、９５メートル先に設置された金網の上部にぶち当たった。関大の選手はあぜん。ベンチにいた上林誠知外野手（宮城・仙台育英３年）は「あと５０センチ上だったら場外でしたよ。さすがのパワー」と衝撃の１発に息をのんだ。

　昨年の大会でも、金属バットより飛距離が出づらい木製バットへの対応に苦しんだ選手が数多くいた。体全体の力をバットに伝えて芯でとらえなければ、打球は飛ばない。園部は甲子園敗退後から、木製バットでの練習を始めた。「木で打つ方が疲れる」。腕だけでなく、ボールを呼び込んで体の回転で打ち返す感覚をこれまで以上に意識してきた。

　プロも注目するスラッガーの対応力を、ネット裏のスカウト陣も高く評価した。「（慣れない）木なので、完璧なのか全然分からない」と本人が首をかしげる一方で、日本ハム山田ＧＭは「木になってどうかなと思ったけど、大丈夫だね」とうなった。初の実戦で４番に据えた西谷浩一監督（４３）からも「バットが内側から出ている」と、無駄のない力強いスイングにお墨付きをもらったという。

　慣れないバット、初めて背負う日の丸のユニホーム。聖光学院のチームメートには、無料通信アプリのＬＩＮＥで「相手はエースらしいので、打てません」と漏らすほどプレッシャーを感じていた。そんな中、４番に座って放った高校通算５９本目の特大ソロ。「期待されていると思うので、期待に応えたい。自分らしくどっしりと野球ができれば」。ＪＡＰＡＮの主砲として、打線を引っ張る。【今井恵太】