第96回全国高校野球選手権青森大会(7月10日開幕)の組み合わせ抽選会が25日、青森市内で行われた。松風塾と青森東高平内(以下平内)の計10人は青森大会初の連合チーム「松風平内連合」で出場。有賀靖穂主将(松風塾3年)がクジを引き、初戦で弘前工との対戦が決まった。

 初戦の相手、弘前工は甲子園経験のあるシード校だが、有賀は「どこが相手でも変わらない。勝つという目的のため練習してきた。それを発揮するだけ」と力強く言い放った。部員不足で松風塾は昨秋、平内は12年夏を最後に大会出場を見送っていた。この夏にかける思いは強い。

 4月上旬、松風塾から「新入生2人入部」の連絡を受けた田中岳二部長(54=平内)は「センバツ決定の電話のようにうれしかった」という。新チームは両校合わせても9人に満たなかった。平内でも新入生1人が入部。両校で計3人が加わり、チームが組めるようになったのだ。

 私立(松風塾)と県立(平内)の連合は珍しいが、同じ平内町内にあり、車で15~20分。火曜日と木曜日を基本に週に3、4回、平内グラウンドで合同練習を行う。兼松力監督(45=松風塾)は「最初は平内の選手の性格など知らないことも多かった。今は普通に1つのチーム。選手同士、遠慮なく注意し合ったりしている」という。

 有賀と、平内の渡辺海(かい)外野手(3年)は平内町の小学校時代も連合チームで一緒だった。有賀は東栄小、渡辺は東田沢小。有賀は「お互い知っているので、やりやすい。連合の話を進めてくれた監督さんたちに感謝したい」。渡辺は「春まで不安だったが、夏の大会に出ることができてうれしい」という。

 春の地区予選に初めて連合チームで出場。青森南に2-12(5回コールド)で敗れた。その後夏へ向けて練習に励み、力をつけてきた。「攻撃面はかなりよくなった。課題は守備。いかに失点を少なく抑えるかにかかっている」と有賀。平内町の球児が団結して、新しい歴史を切り開く。【北村宏平】