<高校野球群馬大会:樹徳3-1高崎商>◇13日◇2回戦◇上毛新聞敷島球場

 打ち気を誘い、タイミングを外し、投げきった。樹徳(群馬)のホジャティ博和投手(3年)が6安打1失点で完投。技巧派左腕が持ち味を存分に発揮し、難敵の高崎商を退けた。

 テンポ良く、次々と打たせてとった。直球は最速130キロにも満たず、打者32人に対し奪三振0の「怪投」。それでも出どころが見づらいフォームに加え、春の関東大会後に習得したツーシームが効果的だった。奪った3併殺は、すべてツーシームを打たせたもの。8回は無死満塁のピンチを迎え、2枚看板の相棒である右腕・葭葉(よしば)ニコ(2年)の投入も考えられたが、「自分で作ったピンチなので」と併殺で最少失点に抑えた。バットの芯を外す投球が生命線で、「打たせればバックが守ってくれる。狙ったところで(併殺を)とれました」と新球の手応えは上々だった。

 イラン人の父を持ち、故障離脱した葭葉に代わって今春、エースに急成長した。井達誠監督(39)も「バッテリーを中心によく守ってくれた」と評価。ホジャティは「次も低めにしっかり集めたい。楽しむことが一番です」と第1シードの自信とともに、相手打線を手玉に取る。【岡崎悠利】