<高校野球千葉大会:専大松戸10-0市川>◇19日◇4回戦◇QVCマリン

 春の県王者専大松戸が、貫禄の7回コールドで16強入りした。

 「昼下がりの荒療治」が3発のアーチ攻勢を生み出した。専大松戸が14安打で10点を奪い7回コールド。優勝候補筆頭の打線がようやく爆発し、16強入りを決めた。

 初回、3番稲葉魁外野手(3年)が左翼に2ランを放つと、4番渡辺大樹内野手(2年)も続けて左翼へ。4回には不調で先発を外れていたオリックス岡本2軍監督の三男、岡本良樹内野手(2年)も代打で左翼へ1発だ。ここ2試合計13安打だった打線の復調に持丸修一監督(66)も、「外野フライが入っちゃっただけ」と笑いながらも一安心だ。

 慎重に戦うあまり、振り切る打撃ができていなかった。そんな野手陣に18日、持丸監督の雷が落ちた。「弱気になってどうするんだ」。特に標的にされたのが、稲葉、渡辺、岡本。4回戦を翌日に控えながら午後2時から2時間、フリーバッティング。持丸監督も「やったことがない」という、大会中の猛特訓だった。

 その右打者3人がきっちり振り切って左翼に運んだ。出来過ぎた結果に、稲葉は「自分が一番打たせてもらったんで」。渡辺は「積極性が戻りました」。岡本も「監督に感謝ですね」と効果のほどにびっくりだ。

 次戦は市船橋。ドラフト候補右腕の青野善行投手(3年)を擁するが、打線が戻った春王者に怖いものはない。【加藤雅敏】