<全国高校野球選手権:大阪桐蔭7-6開星>◇15日◇1回戦

 大阪桐蔭が開星(島根)に逆転勝ちし、登場5校目で近畿1番星を挙げた。初回から4点を追う苦しい展開も、相手ボークで追いつき、敵失で勝ち越し。前年度主将の西武森が2試合連発をマークした日に、夏の出場6大会連続初戦突破を決めた。2回戦は、昨夏敗れた明徳義塾(高知)との対戦が決まった。

 初戦で負けられない意地があった。甲子園春夏連覇の12年春から出場4大会連続で初戦は本塁打をマークした打線が、サク越えゼロなら、チーム安打数も4本。それでも「大阪の代表になり、初戦で負けるわけにはいかない。みんなで粘れた。意地がありました」と西谷浩一監督(44)。最後は大阪桐蔭が笑った。

 初回から4点を追う展開。追い込まれたのは大阪桐蔭だが、2回以降開星がミスを連発。4-5の5回にボークで追いついた。6回の決勝点は敵失、7点目もボークだった。

 12年の藤浪(阪神)13年の森(西武)のような、ドラフト1位候補は不在。それでもこの日の勝ちで春夏通算勝率8割に乗せた「最強TOIN」のイメージは健在。相手には重圧、後輩には励ましになる。大会開幕直前に阪神岩田、同藤浪がアイスクリームを差し入れ。森は試合前夜のオリックス戦でプロ1号をかけた。大阪市内のチーム宿泊フロアは「森さん、すごい!」とわきにわいた。伝統を受け継ぐ後輩として「日本一を目指してきた。こんなところ(初戦)では負けられなかった」と昨年の春夏メンバー、香月は言った。

 次の相手は明徳義塾。6月恒例の練習試合で一昨年は負けたが甲子園で勝ち、昨年は勝って甲子園で負けた。今年の6月は勝っている。西谷監督は「ベテランの馬淵監督が仕上げてこられるチーム」と警戒。初戦の苦戦を力にし“戦前データ”を覆す。【堀まどか】