<高校野球岐阜大会:岐阜城北5-2長良>◇6日◇2回戦

 岐阜ではプロ注目の右腕、岐阜城北・伊藤準規投手(3年)が登板。12球団31人のスカウトが見守る中、5回2失点ながらも146キロをマークした。

 超高校級右腕・伊藤が、最後の夏の舞台に滑り出した。287日ぶりとなる公式戦のマウンド。初回に自らの野選で失点するなど、5回4安打2失点と満点の結果ではなかったものの、直球は最速146キロを計測した。伊藤は「注目されていることはうれしいこと。やっと夏が来たという感じ。球は前よりも走ってきた」と笑顔で話した。

 昨秋に右ひじを故障して戦線離脱。昨年9月23日の県岐阜商との秋季県大会2回戦以来となる公式戦のマウンドだった。復帰戦となった5月31日の甲西(滋賀)との練習試合では「7割の力」(伊藤)ながら直球は142キロを計測。6月14日、享栄(愛知)との練習試合では初めて変化球を交えた。球速も最速146キロまで上がっていた。

 ネット裏に詰め掛けた12球団31人のスカウト陣も納得の表情を浮かべた。中日、阪神など9球団は部長クラスが訪れた。中日中田部長は「腕の振りは大丈夫。あとは下半身の使い方。試合をこなしていけば問題ない。素材は高校生のなかでは東浜(沖縄尚学)と双へき」と変わらぬ高評価を口にした。初めて視察した阪神黒田編成部長も「いい評価を担当スカウトからも聞いている。球威が1番の魅力」と話した。

 まだ頂点へ向けて階段を上がり始めたばかり。藤田明宏監督(40)は「伊藤が投げられるというところを見せたかった。仲間もみんな待っていた」と夏本番を迎えてのエースの復活を喜んだ。大目標の甲子園制覇へ向け、復活したエースがスタートを切った。【桝井聡】