<高校野球福岡大会>◇12日◇3回戦

 福岡大大濠の左腕、川原弘之(3年)が1失点完投の3-1で武蔵台を下し、上位19チームが対戦する「福岡県大会」出場を決めた。この日の最速は初戦を2キロ上回る142キロ。8奪三振とプロ注目左腕にようやくエンジンがかかってきた。

 初回に味方打線が1点先制。「今日は完封するつもりだったので、リードは1点でいいと思いました」。低めを丁寧に突いて3回までで6奪三振。自己最速の144キロには及ばなかったが、集まった6球団のスカウトも納得の投球を見せた。3点リードの8回には1死三塁から三振を取りに行った球が甘く入り失点。「調子は良かったけど、制球が定まらなかった。まだまだ調整不足です」と完封を逃し納得はしていない。

 3回戦までは福岡南部地区と北部地区に分かれて試合が行われるが、次からは3回戦を勝ち抜いた強豪同士の激突となる。バテないよう食事はきちんと取り、夜はクーラーを消して長袖姿で寝るなど体調管理は怠らない。「これからが本番。強いチームばかりなので狙って三振を取れるような投球をしたい」。エースの真価が問われるときがきた。【前田泰子】