第92回全国高校野球選手権(8月7日開幕・甲子園)の南北海道札幌地区の組み合わせが17日、決まった。札幌地区で08年夏以来の公式戦勝利を目指す野幌は、双子の金谷兄弟が投打の要だ。「まずは、1勝です」。兄でエースの泰生と、弟で主将を務める峻生中堅手(ともに3年)が声をそろえた。

 中学時代の野球部の仲間からの誘いもあり、2人で同じ高校を選んだ。「兄弟だから、言いたいことも言い合える」と兄の泰生は言う。江別市内の自宅から自転車で一緒に通学し、その日の練習の反省をしながら帰宅する毎日を送ってきた。高校で勝ったのは、ともに外野手として出場した1年夏の1勝しかない。

 チームでは「ヤス君、トシ君」と呼ばれる人気者。顔はそっくりで、体格もほぼ同じ。違うのは兄が右投げ右打ち、弟が左投げ左打ちという点だ。斉藤光弘監督(45)は「最初は投げる姿を見たりして区別していた。今は雰囲気で見分けている」。母和美さん(47)は「利き手は自然に左右に分かれました」と話した。

 弟の峻生は控え投手で、右→左の兄弟リレーが実現する可能性も。兄の泰生が「打撃は弟の方がいい。チームの中心」と話せば、弟の峻生も「やっぱり、ヤスがエース」と認め合う。7人家族で5人兄弟の次男と三男。1歳上の兄潤さん(18)の影響で、小学3年から元江別アニマルズで野球を始めた。同じユニホームを着続けて10年。集大成の夏が始まる。【石井克】